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ピアノでリズム感を養う方法は?作曲家・プロのピアニストの小野田享子さんにインタビュー
今日は、特別ゲスト、ピアニスト・作曲家・編曲家として国内外で活躍されている小野田享子さんに、『ピアニストのためのリズムトレーニング』教則本の制作秘話を伺いました。
この記事は、YouTube動画の内容を文章にまとめたものです。
動画でご覧になりたい方はこちら↓
ピアニスト・作曲家小野田享子さんのプロフィール
大阪音楽大学作曲学科卒。
7 歳からピアノ、10 歳から作曲を始める。在学中よりアレンジャー、ピアニストとしてレコーディングからライブサポートメンバーとして国内外のツアーに参加。
ラテンジャズバンド「Ajims」のピアニストとして海外ミュージックフェスにも多数参加。
作曲家としても小学館発売の絵本PR 映像の音楽やSMAP×SMAP でのCM映像に楽曲提供を行う。
又、ヒーリング音楽の世界的第一人者『ダニエル・コビアルカ』の来日公演にてストリングスオーケストラのアレンジとピアニストとして参加。
2019 年、2020 年には100 人編成によるフルオーケストラのアレンジャー、ピアニストとしてチェコプラハシティ交響楽団とのレコーディングをドボルザークホールにて行う。
2024 年9 月ニューアルバム「IDEA」を、NY の精鋭ランディーブレッカー、NY ボイセス等、世界を牽引する錚々たるメンバーが参加し発売。
現在大阪芸術大学及び短期大学の作曲編曲、音楽理論の教員も務めながら、森公美子、中西圭三、相田翔子、マリーン、今陽子、竹島宏、等、多くのトップメジャーアーティストと、ピアニストとしてコンサート共演やアレンジ提供も行っている。
Q. 冨士先生から最初にお話をいただいたとき、率直にどう感じられましたか?
冨士さんは音大でドラムを専攻されていて、パーカッションも同時にされていたと思うんですけど、クラシックの方と共演される機会も多いと聞いてましたので、「ついにその時が来たか!」と思いました。
教育者としても、クラシックの人がどういうグルーヴで一緒にアンサンブルを楽しくできるかっていうのを模索されていたと思うので、それを遂に実行に移されたんだなという感じで、感心と感服ですね。
Q. クラシック出身のピアニストにとって、ポピュラーのリズムが難しい理由は何でしょう?
クラシックもジャズもポップスも結局リズムという点では、一緒だと思うんですよね。
ただ、クラシックの演奏者というのは、「楽譜に書かれたものを、きっちりと弾かなければならない」という、ある意味強迫観念というか…そっちの方を重視しがちです。
ジャズやポップスに必要な“ノリ”や“グルーヴ”は、楽譜から読み取れず、感覚的に身につける部分。
そういった音楽自体がまず聞きなれない環境で、演奏の鍛錬をするので、奏者が勝手に自分の中で隔たりを置いてしまってるのかなという感じがしますね。
Q. 小野田さんご自身でもリズムで苦労された経験はありますか?
あります。もちろん。私もクラシック出身なので、ジャズのノリというか、スイングの裏拍にグルーヴを持ってくるっていうリズムはとても苦労しましたね。
Q. “ノリ”とは、小野田さんにとってどんな感覚ですか?
クラシックでもすごくノリのいい曲ってたくさんあるんですよ。
モーツァルトやバッハにしても、グルーヴが実はすごくあるんですよね。
でもそれを私たちは、勝手に分離してしまっているというか。
それを分離させないで、円を描くように、点と点の間を放物線がポンポンポンと飛んで描く、転がっていくような感じがグルーブなのかなって思います。
なので”ノリ”や”グルーヴ”はクラシックにも感じます。
リズムにカクつきがなく、流れるような動きがある。
そういう捉え方ができれば、どんなジャンルでも活かされると思いますね。
Q. 『ピアニストのためのリズムトレーニング』の誕生背景について、冨士先生とのやり取りを通じてどんなことを感じられましたか?
冨士さんはすごくやっぱり情熱家でいらして。で、すごく楽しそうにいつも演奏されるんですね。
なぜ楽しいのかというと、自分の中で「気持ちのいいリズム」で一緒にアンサンブルができた時に、すごく喜びを感じられる方なんです。それを最初に熱く語っていただいたんですよ。
それで、それなら私もお手伝いさせていただけるならありがたいなと思って。もう「はい、喜んで!」とお受けしました。
Q. 作曲を担当されるうえで、どんなコンセプトを大切にされましたか?
従来の教則本というと、いわゆる“繰り返し練習”中心のパターンが多いですよね。もちろん重要ですが、今回は「リズムを楽しむ楽曲」として仕上げたくて。自分のハーモニー感や味わいを、そのままリズムに融合させたかったんです。だから妥協しない、しっかり音楽として成立している曲にしました。
まず、よくある教則本はというと、ひとつのパターンをずっと繰り返し練習する、ハノンみたいなものが多いですよね。
それにジャズの教則本であれば、そこにちょっとコードとかを乗せたりするんですが、そのコードっていうのもすごくパターン化してて。
もちろん、そのパターンも大事なんですけども、今回冨士さんがおっしゃってくださったのは、「作曲家・小野田享子としての楽曲・リズムと、リズムトレーニングを融合させたいんだ」っていうのをおっしゃってくださいました。
私も一作曲家として、本当にありがたいお言葉でした。
ですので、自分の中のハーモニー感とか、そういうのをリズムと合わせて作りたいなと。
曲を作る上で、妥協はしたくないなと強い決意を覚えました。
Q. 「トレーニング」と「音楽性」を両立させるうえで、どんな工夫をされたのでしょう?
まず、楽譜通りにきっちり弾くというのは、とても大事です。
クラシックの方はそれに長けてらっしゃいますよね。
本当は並行してリズムを感じないといけないんです。
なので、“基礎的な指使いを身につけながら、いかに楽しく弾けるか”を意識しました。
Q. 小野田さんの音楽的な世界観は、どのようにして形づくられていったのでしょうか?
子供の頃からクラシックが大好きで、大学もクラシックの作曲科だったんですけども、そこでジャズに出会って、ジャズのそのハーモニー感とか、、新しい“音の景色”が見えたんですね。
でも実は、何百年前からその音っていうのは脈々と継承されていて、ラヴェルとかショパンとかロマン派とか印象派になると、完全にジャズコードがバンバン出てきてるんですね。
なので「クラシック」「ジャズ」と分けるんじゃなくて、音楽って流れて継承していくものだと思うんですよね。
じゃあ、私も今の時代を生きている人として、その流れで継承して、また新たなものを発信できたらいいなと、そういう感覚で曲を作るようになったんです。
キース・ジャレットっていうジャズのピアニストがいるんですけども、その方が即興演奏でピアノソロで弾いてるアルバムがあって、それを高校生の時に聴いた時に、「すごいこれ!クラシックやバッハの要素もすごくあって、でもジャズの要素もあって、こういう作曲家になりたいな!」って思ったんです。
キースジャレットを調べてみたら、やっぱりキースジャレットも、ものすごくクラシックの影響を受けたピアニストで、クラシックのアルバムもたくさん出されてて、そこに一番感銘を受けました。
本当に上手に…と言ったらあれですけど、ジャンルを全部融合させて、それでいてすごくオリジナリティーがあって、でも難しくなくて、ポピュリズムもちゃんとあるっていう…。
ジャンルに垣根はないというのを教えてくれたのは、きっかけとしてはキースジャレットでした。
Q. この教則本ではピアノを使ってリズムをトレーニングする点が特徴的ですが、どんな効果がありますか?
ピアニストにとって、ピアノを扱うっていうのはやっぱり一番大事なことなのですよね。
ですが、リズムが苦手となると、ドラムや打楽器を習ってみたりする方もいらっしゃいます。
それももちろん一定の効果はあると思いますけれども、やっぱりピアノは、打楽器的側面がある一方、ピアノはハーモニーが出るし、オーケストラと同じ音域があります。
表現の可能性が、ものすごく大きな楽器なので、それを使ってリズム感を習得していくっていうのが、思い通りの演奏に近づくには、一番近道かなと思いますね。
Q. 体でリズムを覚えることは、ピアノ演奏にどのように影響しますか?
楽譜を見ると、どうしても、音楽を視覚的に捉えるので、なんとなくリズムを頭で感じながら弾いてしまいますよね。
「今、8分音符だ」とか「今、16分音符だ」とか。
そうではなくて、ボディームーブメントがあると、体の中からリズムが入ってくる感覚が掴めると思います。
サルサに代表されるラテン音楽の奏者は、ダンサーでなくても全員踊れると思いますし、私もそれは勉強しないとなと思うんですけど、体を使って表現するというと、そのグルーヴ感が音にも反映されるかなって思いますね。
商品詳細・購入方法
🎼 教則本タイトル:『ピアニストのためのリズムトレーニング』
- 全25曲収録
- 作曲:小野田享子
- 練習音源制作:冨士正太朗(パーカッショニスト)
- 難易度:上級者以上
- 全国発送対応
📖 教則本価格:2,500円(税込)
📦 送料(レターパックライト):430円
💳 合計:2,930円
※大変恐縮ですが、送料・振込手数料はご負担いただいております。
『ピアニストのためのリズムトレーニング』のYouTube告知動画はこちら!
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